ニキビ
ニキビとは毛穴の中のニキビ菌などによる細菌感染症であると考えている方が多いようですが、決してそうではありません。皮脂の分泌が過剰になると同時に、皮脂の出口である毛穴の部分が角化(硬くなる)することにより、皮脂が毛穴のなかにつまってしまった状態からおこります。
そして、つまった毛穴の中で、ニキビ菌などが繁殖して炎症を起こします。
皮脂の過剰分泌、毛穴の角化異常は思春期には、誰でも起きうることですが、ホルモンの影響やストレス、紫外線、いろいろな皮膚への刺激(化粧、乾燥、髪の毛などの接触、擦れ、皮脂分解産物など)がニキビの増悪因子として作用します。ニキビの治療にはこれらの増悪因子を回避したり、生活習慣を改善することが重要ですが、それだけではなかなかニキビをよくすることはできません。
当院では主に以下の3種類の治療を組合わせて行います。
- 内服治療
テトラサイクリン系のビブラマイシン、ニューマクロライドのクラリシッド、ルリッド、ビタミンB1、B2の内服を症状に応じて処方します。これらは、生理前などの限られた時期だけ内服するのも有効です。ビブラマイシンの内服では非常に頻度は少ないもののめまいなどを感じる方がいらっしゃいます。またピルの吸収を抑制しますので、ピル内服中の方はお申し出ください。
- 外用治療
ディフェリン、ダラシンT、アクアチム、ベピオ、デュアック、イオウカンフルローションなどを症状、肌の状態に応じて処方しています。
- 面皰圧出
細い針と専用の器具(面皰圧子)を用いて、毛穴のつまりと膿みを押し出します。痛い治療ですが、確実に効果があります。ときどき、患者さんから「つぶすと痕になりませんか?」と尋ねられます。治療後しばらくは出血したり、赤く腫れていますが、2~3日で赤みはひいていきます。面皰圧出で痕になるようなときは、放っておけばもっとひどい痕になると考えていただいていいと思います。
当院の治療方針はこの面皰圧出を中心に内服治療と外用治療を適宜組み合わせます。また、ご希望があれば、洗顔石けん、洗顔後の保湿ローション、ビタミンCローションのことなどニキビのスキンケアのアドバイスもいたします(美容皮膚科、スキンケア、化粧品の紹介ページ)。 これらの治療でニキビが落ち着いてきたあと、ケミカルピーリングなどを行うのも大変有効です。 当院では、ニキビの治療としてホルモン療法や漢方治療は積極的に行っておりません。 |