男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリド錠処方
前頭部あるいは頭頂部から髪の毛が薄くなっていく、いわゆる男性型壮年性脱毛症(AGA)の発症には男性ホルモンが関与しています。男性ホルモンのうち、おもに精巣で作られるテストステロンが皮膚に移動し、5α-リダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン (DHT)という物質に変換されます。このDHTが、毛包の毛を作っている部分に作用して、髪の毛を薄くしてしまいます。
2005年に国内で認可された内服薬プロペシア(一般名:フィナステリド)はこの5α-リダクターゼを阻害することでAGAの進行を抑制します。ですから、女性には効果はありません。また、妊娠中の女性が誤って服用すると胎児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼすおそれがありますので、妊娠可能女性は絶対に服用してはいけません。
日本で認可される前の臨床治験の結果では1年後の改善率58%、不変40%、進行(悪化)2%となっています。改善率は58%と60%に満たないのですが、AGAは本来進行していくはずのものですから、改善と不変をあわせると98%という結果をみると、プロペシアはほとんどの男性型脱毛症の進行を止めることができるといえます。
臨床治験では、軽微な副作用の発現率は5.1%で、内容は性欲減退など生殖器系が2.5%、胃部不快などの消化器症状1.1%、臨床検査値異常0.7%、その他0.7%となっています。肝障害などの重篤な副作用は見られておりません。
しかし、長期内服になることが多いので、半年に1度は定期健診、人間ドックなどを利用し血液検査を受けた方がよいとされています。また、プロペシアは前立腺がん検査で測定されるPSA値を約50%低下させます。前立腺がんの検査を受診される方は担当医にプロペシアを内服中であることを必ずお知らせください。プロペシアは保険適用外の医薬品です。
当院の治療費は
- フィナステリド錠28日分; 7,000円
- フィナステリド錠90日分;20,000円
となっています。 |